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「まさか父が!?」─ 高齢者の「うつ」を目の当たりにして(1) [子育て・家庭]

 父が脳梗塞で倒れたのは、今年の5月中旬でした。

 生まれて初めての入院生活を経て、退院後間もなく発覚した後遺症の一つに、「味覚障害」というものがありました。
 これは、父の場合で説明するならば、要するに「全く食べ物の味がしない。料理によっては、しないどころか非常にマズい。」というもの。
 梗塞を起こした脳の箇所に、丁度味覚を司る部分がかかっていたらしいのです。

 「食べられたものじゃない、食べない方がマシ」
と父は言い、出された食事に殆ど箸を付けない日々が続きました。
 高齢ということもあり、なるべく早めに活動的であった元の生活に戻らないと、寝たきりや認知症の発症という別の心配も出てきます。
 もちろん処方されていた薬は服用しており、点滴を定期的に打ってもらっていましたが、なんと言っても栄養バランスのとれた食事を摂ることが基本です。

 母と私が、食材や調味に工夫をこらし、考えられるあらゆるレシピで、「何とか父が食べられる食事を」と毎食毎食作り続けましたが、何も改善されませんでした。
 挙句の果て、
 「もう何もいらない、オレはもう何も食べない。オレはもう死ぬ、死んでしまいたい」
と言うようになり、ベッドから起き上がらず、起きたかと思えば、あらぬ一点を見つめてボ~っと椅子に座り続けるようになってしまったのです。
 そればかりか、私たちと会話もしようとしません。
 退院直後の思いの他の元気は見る影もなく、みるみる痩せ細り、たまに口を開けば「自殺する」と言いますし、しかもそれが、まんざら口先だけの感じでもないところが、家族としてはたいへんな心配でした。
 
 そしてとうとう、長年に渡っての持病を抱え、自分も療養中の母がキレ始めました;
 (もともと温和な優しい人なのですが、最近は年齢のせいか、かなり短気でコワイ人になって来てます~)
 「いったいパパどうしたの?しっかりしなさい!そんな弱気でどうするっ、マズかろうが何だろうが食べなきゃ!」 
なんて怒る声が通りがかりに聞こえて来たりすることもしょっちゅうです。
 母も、父のことが心配なのと、せっかく作った食事を食べようともしないことや、自身の体調などからイラ立ってきているのです。
 母も気の毒ですが、叱られる父も可哀想でなりません。
 私としても、
 『本当にママの言うとおりよ』
という気持ちとはまた別に、
 『いや、なんかおかしい。何か根本的にヘン。。。』
と、一概に精神論的(病気による弱気)に片付けられない「何か」を感じたのでした。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (続きはまたのちほど。)

 

紅葉したブルーベリーの葉に、雨粒がポツンと落ちました
予報どおり、夕方には雨模様なのでしょうか

 


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