<花に想う>カサブランカ ~「白い家」と名付けられたユリ [Flower&My Garden]
小雨降る庭で、カサブランカが咲きました。
学名 : Lilium Oriental hybrid Casa Blanca
カサブランカの花言葉 は、「雄大な愛」「威厳」「高貴」です。
人気種ですから、この花自体を今更ここで説明することもないと思いますので、今回は「名前」「名称」について書いてみたいと思います。
まず、写真のすぐ下に記した学名の先頭、Lilium について。
これは、ユリ科ユリ属の「ユリ属」を表しています。(「属」ですからね、「族」じゃないですよ;)
li(白い) lium(花)というケルト語だそうで、そういう意味では「白い花」が「ユリの花」そのものを言い表していることになります。
やはり、欧州におけるこの花の基本色は白なのでしょうか。
次の Oriental hybrid について。
Oriental は「東洋の」「東洋系」で、hybrid は「交雑」「交配」の意味です。
ユリにおいて、オリエンタル系の交配元となっている親の種は全て日本原産のユリとのことで、Japanese hybrid とも呼ばれるそうです。
ちょっと誇らしく思えたりして・・・^^
最後の、この種のために付けられた名前である Casa Blanca 。
「カサブランカ」と続けて読んでいますが1語ではなく、スペイン語の Casa(家) Blanca(白い)という2語から成り立っている、つまり訳すれば「白い家」という名前のユリなのです。
。。。。
花の名前にしては、ちょっと変わっています。
ここで問題です。
このユリは、なぜ「カサブランカ」と名付けられたのか?次の中から選んで答えて下さい。
A. 大輪の白い花を、妖精の家に例えた。
B. 往年の大スター、美貌で名高いI.バーグマンの主演した映画「カサブランカ」にあやかって。
C. モロッコ王国の都市カサブランカ(白い家の美しい町並みで有名)からとった。
Thinking time・・・な~んてネ。答えは一番最後にお教え致します。いえ、書かせて下さいw
では今度は「ユリ」について。
なぜ、ユリは「ユリ」と呼ばれるのか?
ふと、思いました。
変なこと考える、と思われるかも知れませんが。
それでも、『きっと、そうなのでは?』と思える言葉が頭に浮かんで来ました。
それは野山に群生しているユリの花を想像してみて─
(ササユリでもヤマユリでも)
山あいを、または野原を風が抜ける時、草の葉がさやぐ中にあり、
その美しく咲いた少し重たげな花たちは
揺り籠に揺られるようにゆらゆらと一斉に揺れて。。。
昔の人は、きっとそのような風景からこの花に「揺り」→「ユリ」と名付けたのでしょう。
そう思い語源をやっとこさ調べたところ、かなり近いことが記されていました。
(せっかく考えたからちょっと悔しい気もして、自分のイメージの方を載せちゃいましたが;^^)
多くの人が想い浮かび、思いつくから、名前として定着したのでしょうけどネ^^
ついでに何故「百合」と漢字で表すのか、を。
これは、ユリの根(鱗茎)は漢方薬として古来利用されて来ていますが、その鱗片が多数重なり合う形状から中国では「百合」と表されており(日本語読みで「びゃくごう」)、その漢字があてられたためです。
ユリの根には利尿、鎮咳、鎮静作用があり、また香りはホルモンの分泌を促すといった薬効が、洋の東西を問わず紀元前より知られています。
(う~む・・・むせ返るようなあの芳香には、そんな秘密があったのですね。)
文章ばかりになってしまいました;
次は、お天気が良い日の花の写真を載せたいと思っています^^
「カサブランカ」の名の由来について。
答えはC です。
このユリは、アメリカで日本のヤマユリと交配させて出来た後、オランダに渡ったそうです。(調べていませんが、おそらくオランダで改良・定着がすすめられたのでしょう。)
オランダでは、花の命名に地名や都市名を使うことが多いそうで、この純白の大輪のユリを「カサブランカ」と名付けたということでした。
如何でした?当たりましたか?^^
─ 追記 ─
カサブランカについては、http://blog.so-net.ne.jp/pakipakiaugustmoon/2006-07-31
の記事においても取り上げております。
よろしければどうぞご覧下さい。
2006年10月21日
花の名前一つとっても調べていくと新しい発見があるものですね^^
勉強になりました。
カサブランカ、見事ですね。 鉢に植えっぱなしの我が家のは、今年遂に花を見れませんでした^^;
by (2006-07-10 06:56)
白いカサブランカ。
お世話になった方に花を贈るときには入れるようにしていました。
花言葉、由来を詳しく知っていたわけではなく、カサブランカのイメージがその場にふさわしいと思ったからですが、選択は間違っていなかったようです。^^
女の子が生まれて その子の名前にちなんで植えたものだといって、お庭から摘んだカサブランカを頂いたときはとても嬉しかったです。花は多くの言葉よりも、深くメッセージが伝わりますね。
by 畑の帽子 (2006-07-10 07:52)
>シンナツさん nice!&コメントをありがとうございます^^
我が家のこのカサブランカも植えっぱなしで、5月ごろ慌てて土を足して
化成肥料を施しました; 今度の秋は植え替えるようにします。
名の由来などはおまけみたいなもので、知らなくても全然構わないのですけどネ^^
by パキちゃん (2006-07-10 19:34)
>畑の帽子さん nice!&コメントをありがとうございます^^
カサブランカは喜ばれることが多いですよね^^
切り花にしても花もちが良いし、何と言っても豪華ですから。
あ、でも贈って頂くのは、どんなお花でも嬉しいものですけどw
by パキちゃん (2006-07-10 19:51)
残念、Bと思っちゃいました・・・。花の名前の由来って聞いているだけで想像が掻き立てられます。「白い家」から覗かせる真紅の雄蕊の色がまた高貴さを醸し出してますね~。
by たらこ太郎7 (2006-07-10 20:01)
カサブランカ、素敵ですね!
私もBかと・・・知的で清楚、バーグマンのイメージですよね。
日本のヤマユリも入っているんですか?
やっぱり どこか日本的^^
by タックン (2006-07-10 21:57)
花はただそこに咲いているだけなのだけれど、見る人の想いを映して様々に変化しますね。
……と、いつも情緒的にしか物事を捉えられない私にとって、パキちゃんの書かれる記事は新鮮で、興味深くまた楽しく読ませていただいています。
カサブランカ、名前の豪華さに負けてませんね(^^)
by eritaro (2006-07-10 21:59)
>たらこ太郎7さん nice!&コメントをありがとうございます^^
私も「カサブランカ」とバーグマンのイメージが重なるように思い、Bの問題を作りました^^
蕊の先の花粉は、時間とともに乾燥し、しぼんで痩せて来るのですよ。
(それを見れば、咲いてからどれくらい経ったかわかります。)
by パキちゃん (2006-07-11 05:57)
>タックンさん nice!&コメントをありがとうございます^^
タックンさんも一緒ですねw 名付けた人には、けっこうそういうイメージもあったのかも^^
日本原産のユリは、品種改良されて世界的に人気の園芸用種となりましたが、
元のままの「ヤマユリ」や「ササユリ」の群生地が減っているのが心配です。
by パキちゃん (2006-07-11 06:15)
>eritaroさん nice!&コメントをありがとうございます^^
花は見る人の情緒に訴えかけるものですから、ネ。
専門的なことは専門家や専門書に任せて、雑学で楽しもうか、とw
文章が多くてあまり面白くないかな?と感じていたので、
励ましのお言葉を頂いたようで嬉しく思いました^^
by パキちゃん (2006-07-11 07:58)
名前には、それぞれ深い意味があるんだなと
思いました^^
気高く、凛と咲く姿は、やはり美しいです。
by (2006-07-12 13:58)
>ki_no_koさん nice!&コメントをありがとうございます^^
名の由来などは、調べていくとなかなか面白いものですよネ。
カサブランカは、大輪だけど他の花とも合わせやすく、
豪華であるけども派手過ぎないので、人気があるのでしょうね^^
by パキちゃん (2006-07-13 00:41)
パキちゃんの好奇心と探求心に、またまた感心!
by (2006-07-23 10:49)
>プリンちゃん nice!&コメントをありがとうございます^^
どうでもいいことを考えたり知ることが好きな性分なのでw
by パキちゃん (2006-07-23 21:15)
>春分 さん nice!をありがとうございます^^
by パキちゃん (2006-08-06 07:59)
>スー さん nice!をありがとうございます^^
by パキちゃん (2006-12-16 02:16)