SSブログ

人の命を思うことは。。。 [気ままにessay]

 先日、祖父母の三十三回忌の法要を、二人が亡くなった当時からお世話になっている上正寺というお寺さんにおいて、集まれる親族で営みました。
 祖父母は同じ年に亡くなったわけではありませんが、祖母は祖父の後を追うように1年後に逝ってしまったので本人達も一緒がいいだろうということと、九州から出掛けて来る親戚のことも考えてそのようにしました。
 もう、そんなに年月を経たのか・・・
 「光陰矢の如し」とは、まさに云い得て妙なる言葉ですね。

IMG_0028.JPG-庭の牡丹2009.04.17.JPG

 祖父母の思い出は、両親ともよく話します。
 お互いに、まるでつい最近のことのように「こんなことあったね、あんなこと言ってたよね」と。
 「亡くなる」ということは、「無くなる」こととは異なるのだ・・・
 そんなふうに、つくづく思ってみたりして。

 私には、常に心の片隅に「いずれ無に帰す」という思いがあります。
 話が、ちょっと矛盾するようですけど;^^
 でも、(自分以外の)人の命に対しては、「いずれ無に帰すのだ」と悟りきったように考えるよりも、「亡くなっても無くならないよ」との思いをもって向かい合いたいものです。

 法要を行って下さった後、ご住職が仰いました。
 「長いお付き合いをさせて頂いておりますが、もう33年経ちましたか。
 この時代このご時勢、初七日から始まって、七回忌くらいまでは遠方のご親族も集まられて皆様よくなさいますが、三十三回忌までお集まりになられることは少なくなりました。・・・・・」
 。。。。
 そういうものかも知れません。
 これは、集まらないことが不信心であるとか、故人を偲んでいない人が多いとかの意味ではありません。

 ご住職の言葉にもありましたが、身内を亡くして数年は、その死に向き合う時、まだ悲嘆や慟哭、寂寥感や無力感、苦悩や後悔の念で心中が渦巻いていたりするものです。
 それが三十三回忌を迎える頃にはどうかと言いますと、それはそれは穏やかで安らかで、澄明な光に包まれたような静寂な心になれるのです。
 (供養や鎮魂の儀は、故人のために行われるものではなく、むしろ残された者のために行われるとも思えます。)

 そのような心の状態で故人を偲びつつ、いつの間にか自分の命や生きる意味について思いが至る、という機会や時が減っている今の世の中、ということなのでしょう。
 うまく言葉にできず繰り返しになってしまいますが、悲嘆や慟哭、寂寥感や無力感、苦悩や後悔の念の中で命について思うのと、穏やかで安らかで澄明な静寂に満たされた心の中でそれを思うのとでは、ずい分な隔たりがあるように感じました。

 だからと言って、誰もが三十三回忌の法要を営めるものでもないでしょうけど。
 何より、残された近しい人々が長生きでないとネ^^;
 今回は、人の命について思いを廻らせて、これほどに心鎮まる境地に至ったことはありませんでしたので、書き残しておきたくなりました。

 一昨日、我が家の庭で一輪咲いた牡丹が、今朝もう一輪咲きました。
 ちょうど、祖父と祖母とが寄り添っているようにも見えましたので、載せておきます。


nice!(9)  コメント(12)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 9

コメント 12

タックン

こんばんは。
三十三回忌法要 きっと御祖父母様たちも
喜んでおられることでしょう。
身近な人の死を経験すると 死の意味を考えますね。
>亡くすことは無くすことではない
本当にそう思います。
それぞれの心の中で生き続け やがて静寂な心にまで導いて
くれるのでしょうか。
美しい牡丹の花 本当に寄り添っているようですね^^
by タックン (2009-04-18 22:13) 

パキちゃん

☆タックンさん  おはようございます^^
ご訪問ありがとうございました。
 >それぞれの心の中で生き続け やがて・・・
そうだったのですね。
「時」がいろいろな感情を昇華させてくれたのかな と漠然と思っていましたが、
心の中で生き続けている亡くなった人が導いてくれるものなのですね。
とても頷けました。
タックンさんのお言葉に、何か一つの真実に出合えたような気がします。

牡丹の花の大きさは人の頭ほどもあるのですよ。
だからなおさら、擬人化したくなります^^;

by パキちゃん (2009-04-20 08:28) 

パキちゃん

☆風子さん  ご訪問ありがとうございました^^
by パキちゃん (2009-04-23 21:38) 

トントコプリン

ブログは久しぶりで、あちこちナイスの押し逃げしてきました(笑

お知らせです。
園のブログを開設したの。

仕事で書くことになっちゃった^^:

不思議ちゃんの記事を書くのは本当に楽しかったんだけど、
再生のためだから頑張るね。
by トントコプリン (2009-04-25 16:32) 

パキちゃん

☆プリンちゃん  ご訪問ありがとうございました^^
お互い様でお久しぶりです(^O^)/
園のブログですか♪ 
きっといっぱい ほんわか温かい記事が読めますね!
今、なかなか皆様のところを訪問できないで不義理しまくりですが・・;(スミマセン)
近々お伺い致しますねm(_ _)m
by パキちゃん (2009-05-05 13:57) 

パキちゃん

☆春分さん  ご訪問ありがとうございました^^
いくつもnice!を頂戴しまして、ありがとうございますm(_ _)m
by パキちゃん (2009-05-05 13:58) 

eritaro

ブログをすっかりサボっていて、記事に気づくのが遅くなりました。
牡丹の美しさに思わず見とれてしまいました(^^)
身近な人の死について向き合うのは本当にしんどいものだと思います。私にもいつかパキちゃんのように穏やかな気持ちで向き合える日がくるといいなと、つくづく思いました。

by eritaro (2009-05-30 14:56) 

パキちゃん

☆eritaro さん  ご訪問ありがとうございました^^
私もほんとに、たま~にのINとなってしまっています。
返事が遅れてばかりで、だんだん皆様のところにお邪魔するのも
敷居が高くなって来ました;^^
生きているといろいろなことが降り懸かってきますが、
「人の死」を考えることは「人の生」を考えることなのだなぁ と、
ご住職の言葉を聴きながら噛みしめていました。
eritaro さんにもきっと、そのような日が訪れると思いますよ^^
by パキちゃん (2009-06-02 20:20) 

夏炉冬扇

お早うございます。リュウノヒケのタグで参りました。
父の33回忌、数年前に。
法事で同胞集まるのは愉しみでもあります。
よろしく。
by 夏炉冬扇 (2009-06-09 07:52) 

パキちゃん

☆夏炉冬扇さん  「リュウノヒゲ」からのご訪問ありがとうございました^^
お父様の33回忌を皆様でなさったとのこと、我が家の法事の雰囲気と似たようなご様子であったのかなぁ。。。 と(勝手に;^^)拝察しております。
普段めったに会うことのない、遠方の従兄弟、従姉妹たち。
子どもの頃、一緒に遊んだりワルさした思い出を辿れば・・・・
やはり、法事の集まりでした。

こちらこそ、どうぞよろしくお願い致します^^
by パキちゃん (2009-06-13 19:02) 

パキちゃん

☆ホシさん  ご訪問ありがとうございました^^
お元気ですか?
nice!をありがとうございます^^
by パキちゃん (2009-07-31 00:28) 

パキちゃん

☆月夜さん  ご訪問ありがとうございました^^

☆ki_no_ko さん  ご訪問ありがとうございました^^
by パキちゃん (2009-11-14 07:39) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。