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寒川神社 ~2008年の「迎春干支ねぶた」 [季節の風物詩]

 2006年から1月に恒例で、相模國一之宮 寒川神社 の「迎春干支ねぶた」をUPしていこうと思っていましたが、今年は今月にズレ込みました。
 どうせなので節分祭に参拝を、と思ったところ、今度は雪で中止となりました。

 先週の土曜日(16日)に、やっと時間がとれて訪ねることができましたが・・・・
 「迎春干支ねぶた」は神門にはなく、神社の横に併設されている 参集殿 の正面、入り口の横に展示されていて、ちょっとガッカリ;
 毎年神門を飾っているのは、節分祭までだそうです。

 でも、こんなに間近に見られるのもいいんじゃない? とも考えられ、しぼみかけた気分も一転、いろいろな角度でアップ撮影しました。
 (建物の柱が手前に入るので、正面からの全体像は撮れませんでした。)
 画像にカーソルをあてて、ミニ解説もどうぞ。

2008年 『開運 吉祥ねずみ』
千葉作龍氏 作

 『古事記』の「根の国神話」においての、窮地に陥ったオホナムヂ(大穴牟遅:後の大国主命)が一匹の鼠に助けられた話が題材。
 オホナムヂはスセリビメ(須勢理毘売)を娶るために、ヒメの父スサノヲノミコト(須佐之男命)から、次々と命がけの試練を課せられる。その中の一つが、野に向けて射られた1本の鏑矢を持ち帰れと命じられたこと。探しに行ったところに火を放たれたものの、鼠の助力を得て命も助かり鏑矢も持ち帰ったという内容です。

「根の国神話」では、スセリビメや鼠の助けによってスサノヲからの無理難題を解決していく。 オホナムヂ(後の大国主命)と鼠のアップ。業火の中、鏑矢を握り締める手に緊迫感を感じる。 スサノヲノミコト(須佐之男命)のアップ。オホナムヂをぐっと睨む表情や、炎で巻く強風に怒髪たなびく様子は迫力満点! 全ての試練を乗り越えたオホナムヂは、最後にはスサノヲからも祝福されてヒメを娶り、スサノヲの言葉通り、葦原中国(あしはらのなかつくに)の王、大国主となり地上を支配した。


 こんな感じです。
 彩色も美しく、何よりも迫力がありました。
 日が暮れてライト・アップされたねぶたは、さぞや勇壮であろうと想像させられます。
 ぜひ一度、夜の鎮守の森に浮かび上がる、「迎春干支ねぶた」を見てみたいものです。
 (毎年そう思っています;)

   ここに置かれているのが目に入った時は「アニャっ!」と思ったが、今思うと、間近で心ゆくまで観察できて良かった。   絵馬は、いつも奉納しないで家に持ち帰ってしまう;
   2月16日現在の展示場所 

   
  一昨年、昨年の「迎春干支ねぶた」はコチラです。

2006年 『恵方八犬』  (記事はコチラ)
『南総里見八犬伝』にある「仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌」の八つの徳を、寒川神社の方位除・八方除の神徳に重ねて表した作品。
2007年 『開運 猪突豪胆』  (記事はコチラ)
源頼朝が催した「富士の巻狩り」の際、剛胆(肝っ玉が太く物事に動じない様子)をもって音に聞こえた仁田四郎忠常が、頼朝に向かい猛進する大猪を、見事仕留めた逸話が題材。


 では、2008年2月16日の境内の様子もどうぞ。

境内ではないが、寒川神社と道路を隔てた向こうに、紅白の梅が満開だった。 白梅はこの画像では目立たないが、とても美しく咲いていた。 一般道から境内へ入る入り口、太鼓橋と三の鳥居。神池に架かる太鼓橋は、神様が渡る橋。 参道。参拝者はさすがにこの時期少ない。 地面に置かれているのは、寛政8年(1796年)に寄進・建立された一の鳥居。安政2年の江戸大地震と、大正12年の関東大震災の二度に渡り倒壊した。当時をしのび、参道途中に設置されている。 毎年終戦記念日には、世界平和を祈念して「相模薪能」が開催される。参道脇の池のほとりには、『石橋』(しゃっきょう)の後ジテの像が。 神門は重層の門。ここに「迎春干支ねぶた」が掲げられる。 御祭神をお祀りする社殿。本殿。東西翼殿や付属施設をもつ、重厚な総桧造り。 本殿と神門をつなぐ東西の廻廊では、例祭における献花や盆栽・菊花等の展示がある。これは本殿前から東回廊を見渡したところ。 神門を入ったところから西回廊を見渡したところ。 東回廊から東翼殿・本殿へと上ったところ。 拝殿内部には、216名が一度に着席して参拝できる席が設けられている。 参拝する人々。三が日では考えられないような空き具合で、のどかだった。 参拝者の前にあるお賽銭箱。(お札もたくさん入っていた。) これはベニバナアセビ(紅花馬酔木)だろうが、かなり濃い紅色。こぼれるように咲いている。 カンツバキが可憐。


 いつもにも増して、のんびりと過ごしてから帰りました。
 平成二十戊子年の「迎春干支ねぶた」、『開運 吉祥ねずみ』と今月の寒川神社の風景でした。   

寒川神社


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コメント 24

畑の帽子

目の前で見ると又迫力がありそうですね。
ねずみと大黒様の馴れ初め(なのかな?)のお話でしょうか。
吊るし飾りの本を見ていたら偶然ねずみと俵の飾りがあってその意味を読んでいたところでした。 ^^
 立派な神社ですね。
by 畑の帽子 (2008-02-22 17:51) 

パルの大冒険

お邪魔しております。迫力満点!!
by パルの大冒険 (2008-02-22 20:21) 

タックン

寒川神社に行ったのは いつ頃だったかしらと
記事を読ませてもらいながら 懐かしい気持ちになりました。
その頃は こんなねぶたはなかったような・・・。
(覚えているのは 団子屋さんの首振り姉さんだけで^^)

それぞれに 物語があるのですね。
難しそうと敬遠している『古事記』も こうして解説してもらうと なかなか
面白いドラマがあるのですね。
by タックン (2008-02-22 21:21) 

パキちゃん

☆xml_xslさん  ご訪問頂きましてありがとうございます^^
by パキちゃん (2008-02-23 01:22) 

パキちゃん

☆スーさん  ご訪問頂きましてありがとうございます^^
by パキちゃん (2008-02-23 01:23) 

パキちゃん

☆畑の帽子さん  ご訪問頂きましてありがとうございます^^
大黒様(大国主命)と鼠とのつながりは、このエピソードからです^^
「大黒ねずみ」など、これに意匠をとったものがいろいろありますネ。
寒川神社は、かなり大掛かりな工事で建て直したりしましたから、古い歴史にもかかわらずスッキリとキレイに見えますね。
by パキちゃん (2008-02-23 01:49) 

パキちゃん

☆パルの大冒険さん  ご訪問頂きましてありがとうございます^^
近くで見ると、思っていたよりも大きかったです。
(ねずみさんもカピバラ並み;^^)
本場の「青森ねぶた」はもっと大きいようですので、きっと更なる迫力でしょうね~^^
by パキちゃん (2008-02-23 06:57) 

パキちゃん

☆タックンさん  ご訪問頂きましてありがとうございます^^
「迎春干支ねぶた」は、平成13年から初詣の人々の目を楽しませてくれています。
『古事記』には、幼少時に親しんだ昔話の原型の神話や伝説が含まれていて、なかなかに興味深いですよ^^
この日、お団子屋さんでお団子も食べました♪
by パキちゃん (2008-02-23 06:57) 

これは凄いですね~。
今にも動き出しそうな迫力がありますね。
わたしも実物を見てみたいです。
by (2008-02-23 08:01) 

強そうなネズミちゃんだこと!
干支ねぶたってことは、来年は牛さん?
by (2008-02-23 08:19) 

kan

賢そうな目をしたネズミです!
by kan (2008-02-23 10:38) 

パキちゃん

☆真夏さん  ご訪問頂きましてありがとうございます^^
ですよね~。離れて見るとお人形さんという感じですが、アップで見ると、細部のディテールの凹凸や陰影、シワまでリアルで驚きました。
青森ねぶたの作家さんの技術はすごいですね。
青森のねぶた祭に行って見たくなります^^
by パキちゃん (2008-02-23 13:05) 

パキちゃん

☆プリンちゃん  ご訪問頂きましてありがとうございます^^
>来年は牛さん?
  そうですね^^ どんなテーマなのかいろいろ想像しています。
もしかしたら、牛頭天王と同一視されているスサノヲが、また登場するかも知れません。
考えていると楽しいので、テーマを当てることに凝り出しそうです;^^
by パキちゃん (2008-02-23 13:31) 

パキちゃん

☆kanさん  ご訪問頂きましてありがとうございます^^
ねずみは、「内は富良富良(ほらほら)、外は須夫須夫(すぶすぶ)」と言って、入り口は狭いが中は広い(空洞がある)自分の巣穴を示し、オホナムヂは地面を蹴り抜いて地中へもぐり避難できます。
仰る通り、賢いねずみですネ^^
by パキちゃん (2008-02-23 13:36) 

パキちゃん

☆納豆(710)な奇人さん  ご訪問頂きましてありがとうございます^^
アイコン、お猿さんになったのですね^^
by パキちゃん (2008-02-23 13:37) 

お散歩爺

おはよう御座います。
立派なねぶたですね~、青森では見てますが神奈川にもあったんですね。
相当な賑わいを見せるんでしょう、行って見たいものですね。
by お散歩爺 (2008-02-24 07:17) 

パキちゃん

☆takagakiさん  初めまして。 ご訪問頂きましてありがとうございます^^
by パキちゃん (2008-02-24 15:53) 

パキちゃん

☆旅爺さん  ご訪問頂きましてありがとうございます^^
青森のねぶた祭はTVなどで見かけますが、実物を見られたとはいいですね!^^
昔一度だけ、寒川神社に大晦日から元旦にかけて、年越しの初詣に行ったことがありますが、参道を一寸刻みにしか進めませんでした;
日中も、松の内くらいまではかなりの賑わいですよ^^
by パキちゃん (2008-02-24 15:54) 

春分

オオナムチ=オオクニヌシ=大黒さまですね。
なるほど、鼠はそこから仲間ですね。
by 春分 (2008-02-24 19:54) 

パキちゃん

☆春分さん  ご訪問頂きましてありがとうございます^^
そうなんです^^ ねずみは「繁栄」を表す縁起のよいもの、とも言われていますね。
大国主命が、葦原の中つ国(地上の世界)を統べて繁栄させる、ということが示唆されているようです。
いろいろと象徴されていたり意味づけがあったりして、面白いです^^
by パキちゃん (2008-02-25 08:46) 

パキちゃん

☆風子さん  ご訪問頂きましてありがとうございます^^
by パキちゃん (2008-02-29 07:46) 

パキちゃん

☆OFさん  ご訪問頂きましてありがとうございます^^

by パキちゃん (2008-03-02 11:34) 

パキちゃん

☆garireoさん  ご訪問頂きましてありがとうございます^^
by パキちゃん (2008-04-04 05:09) 

バーバリー アウトレット

こんにちは、またブログ覗かせていただきました。また、遊びに来ま~す。よろしくお願いします
by バーバリー アウトレット (2013-08-02 16:27) 

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